爽やかな逃走

僕らの旅を「青春」なんて名付けて過去にすんな。

2017.08.02

想像ではもっと晴れやかな気持ちのはずだったんだが。これは後悔か、罪悪感か、はたまた失望か。 未来は明るいかな。これからどうなるんだ。そんなことを考えながら、小雨の中を、傘を蹴りながら歩いた。 イヤホンをつけて再生ボタンに指を近づけたところで…

2017.07.30

環境は人を変えたりしない。 人が環境で変わるんだ。 ストレスで倒れて入院した時、病院のベッドから窓に向かって、誰かのせいにすることを覚えた。 仕事でストレスが溜まるのはあいつのせい。 肺に穴が空いたのは奴らのせい。 これがこの街ではもはや日常茶…

2017.07.13

踏み切りで鳴る警告音が、電車に切られて嫌にうるさい。こちらとあちら。たかが棒一本で区切られて、僕は前から2番目で待っている。通り過ぎて数秒、風に吹かれて視界が狭まる。伸びっぱなしの前髪は、もはや自信喪失の象徴でしかない。 疲弊した心は後ろを…

2017.07.12

工数、人月単価、人売り、人売り、 要らなくなったら切り捨てて。 フォーマット通りの設計書、人生設計書。 妥協と惰性で蔓延る、日の当たらないオフィス。 裏口のベンチを見下ろす、灰色の空とか。 「仕方ない」と呟けば、とりあえず今日に意味を見出して。…

2017.06.17

たとえば、 今、この場所から逃げ出して、この小さな箱と少しばかりの紙切れを燃やして、なんなら失踪なんかしたりして、最悪自死を選んだりして。 きっと、そういう、大切な人たちに迷惑と心配をかけるような行為を選択することができない部分が、僕の弱さ…

2017.06.11

休日に家に居ても、ゴミと毒が溜まる一方だから、とりあえず外に出ることにしたんだ。好きな服を着て、髪も少しばかり整えて。容姿に気を使ってるうちはまだマシなんだろうな、なんて思う。誰に会うわけでもないけれど。 池袋か。渋谷か。とにかく人混みにで…

2017.06.06

有限だって実感した途端、焦るんだろうな。 ピザポテト然り、カール然り。人生然り。 焦って時間と金を浪費。 後の虚無感。 そこまで必要なものだったのか、なんて。 別れ際に急に恋しくなったりする、あれと同じだ。 となりで吊革に掴まる女性が、 窓の外、…

2017.06.03

畜生。 あんたの歌を目の前で聴くのは、これで何回目かは忘れたが、涙した数も同じだってことは覚えてる。 いつもあんたは僕の代弁者だ。この、どうしようもないやり場のない感情を、あんたは言葉に紡ぐ。それが僕は悔しい。 それだけ救われた。今日も、また…

2017.05.31

そうしているうちにも時は過ぎて、帰り際、あの子を見送ったバス停も古くなる。思い出は、新しいタイムラインに貼り変わって、雨に濡れ、雫が滲めば、もう見えない。 種が死んだ理由を、探し続けて幾年が経ち、未だ出ぬその答えはきっと、単気筒、横たわる煙…

2017.05.30

中央線、東小金井駅から武蔵境駅の間、地平線から空を刺す鉄塔群に見惚れる。 あれだけの存在感を放っておきながら、妙に風景に溶け込んでいるのはなぜだろうか。できれば僕もあの鉄塔のように、誰に気付かれずに、干渉されずに、大きく育ちたい 。ここ、多…

2017.05.29

襟足を切られる。 僕の後ろで、綺麗な女性が時折、ハサミに髪を引っ掛ける。一瞬、ツンとする痛み。あ、すみません、痛かったですか?と申し訳なさそうに訊く。いえ、大丈夫ですよ。と答える。痛いの嫌いじゃないですし、とは言わなかった。その後、同じ下り…

2017.05.28

なんとなく、蓋をされて生きて来たんだな、と思う。 なぁ、先生。 眉を剃ってはいけない理由を、髪を染めてはいけない理由を、僕は教えて欲しかったんだ。 なぁ、母さん。 夢には時効があるってことを、僕は先に知っておきたかった。 なぁ、親友。 「君なら…

2017.05.26

眠気まなこをこすって、朝食を取りながら携帯を触る。目覚めに浴びるブルーライトは少しばかり痛い。今日の悲しいニュースを探す。 最近のトレンドは専ら「ミサイル」だ。今日はその上で芸能人が結婚したらしい。笑顔の足元でミサイルがかすめる。丁度いい、…