爽やかな逃走

僕らの旅を「青春」なんて名付けて過去にすんな。

2017.05.30

 

中央線、東小金井駅から武蔵境駅の間、地平線から空を刺す鉄塔群に見惚れる。

 

あれだけの存在感を放っておきながら、妙に風景に溶け込んでいるのはなぜだろうか。できれば僕もあの鉄塔のように、誰に気付かれずに、干渉されずに、大きく育ちたい 。ここ、多数決の蔓延る東京の街じゃ、とても叶わない話だが。だが諦めない。僕は、大人にはならない。1年前、そう決めた。

 

今日も怒られた。どうやら僕は、どこの現場に行っても嫌われるようだ。そうか、ここまで来れば、いよいよ悪いのは僕のようだ。他人の評価を気にしないのも、納得が行かなければすぐに反論するのも、定刻になればすぐに退社するのも、くだらないルールも、今朝電車が止まったのも、排他的経済水域にミサイルが落ちるのも、ファミレスで発砲事件が起きるのも、全て僕が悪いんだろうな。

 

畜生。妥協でされるがままの搾取なんて、ごめんだ。僕が世界で最後のひとりになった時に、初めて後悔してやる。ざまあみろって叫んで、泣きながら喉を掻っ切るんだ。

 

三日月が綺麗だよ、と彼女が言った。

ごめんな。満員電車の車窓には、何にも映らないよ。