爽やかな逃走

僕らの旅を「青春」なんて名付けて過去にすんな。

2017.06.11

 

休日に家に居ても、ゴミと毒が溜まる一方だから、とりあえず外に出ることにしたんだ。好きな服を着て、髪も少しばかり整えて。容姿に気を使ってるうちはまだマシなんだろうな、なんて思う。誰に会うわけでもないけれど。

 

池袋か。渋谷か。とにかく人混みにでも行って、二階のカフェのカウンターなんかで、今日くらいは人間たちを下に見てやろうと思った。

 

武蔵小杉。東横線、池袋方面。いや、なんか違うな。隣のホームの電車にしよう。各駅停車。ちょうどいい。渋谷まで何駅か。ん?多摩川駅とかあるんだ。いいな。ここにしよう。

 

行き当たりばったりの日曜日。

駅を出てすぐの場所に、小さい神社があって、どうせならと参拝。財布には500円玉と1円玉。「ご縁(5円)がうんたら」とか信じない僕は1円玉。二礼二拍一礼。「幸せになるよ」と神様に決意表明。いつからかお願いはしなくなった。僕は僕の力でってね。神様も荷が重いだろ。

 

多摩川の河川敷を歩く。日曜日は誰しもが笑顔で、曇った空にも青が透ける。冷めたからあげクンを頬張りながらamazarashiをBGMにゆっくり歩く。風に流離い。

 

遠くにグラウンドが見えたから、とりあえずそこまで歩く。なんとなくいつも見てしまう。あぁ、あの頃は僕も白球も追いかけた、なんて思い出に耽る癖も、もうそろそろ終わりにしたい。

 

グラウンドの横、土手の1番上に腰を下ろす。子供達はじゃれて、大人達は飲みに行く約束。なんだ、試合終わってたのか。ホームランの一本でも見れたなら、明日にでも辞表を提出する勇気くらいは出たかな。

 

涼しくなってきた。ここに座って30分ほど経つだろうか。こんな日曜日も悪くないだろ。

 

高架橋の上、電車の唸り声で立ち上がる。

また来るよ。次で最後だ。