爽やかな逃走

僕らの旅を「青春」なんて名付けて過去にすんな。

2017.07.13

踏み切りで鳴る警告音が、電車に切られて嫌にうるさい。
こちらとあちら。
たかが棒一本で区切られて、僕は前から2番目で待っている。
通り過ぎて数秒、風に吹かれて視界が狭まる。
伸びっぱなしの前髪は、もはや自信喪失の象徴でしかない。

 

疲弊した心は後ろを向くとはよく言うが、
きっと本当は行き場を失うんだ。ただ彷徨うだけ。

 

冷めた弁当を食べながら、眺めるディスプレイに昔の女。
「結婚するか」と片手で送る。
「いいよ」と数秒で帰ってくる。
僕はあいつのこういうところが嫌いだった。

 

シャワーを浴びたら戦場へ。
アドレナリンが濡れた髪を乾かす。
缶チューハイが脳内を侵食したらショットガン。
後は暴れるだけ。全てを忘れる、今だけ。
スナイパーに撃ち抜かれて、我に返ったら消灯。

 

硬いベッドに寝転んで、
イヤホン越しの寝ぼけた声。
この瞬間。
いつも「もう少しだけ」と願う。
僕は僕のこういうところが嫌いなんだ。